賃貸不動産経営管理士(通称:賃管士)は、不動産取引(特に賃貸管理業務)において重要な役割を担う国家資格です。
不動産業界でのキャリアアップや独立開業を目指す方にとって、宅建士とともに賃貸不動産経営管理士も今後は必須級の資格となります。
本記事では、賃管士試験の概要や受験方法、合格率などを詳しく解説します。
賃貸不動産経営管理士とは
賃貸不動産経営管理士とは、賃貸住宅の管理業務に関する知識・技能・倫理観を持つ専門家であり、2021年(令和3年)より国家資格として位置づけられています。
この資格は、賃貸住宅管理業法に基づき、賃貸住宅管理業者が設置を義務付けられている「業務管理者」の要件を満たすものです。
業務管理者とは?
「業務管理者」とは、賃貸住宅管理業法に基づき、管理戸数200戸以上の登録賃貸住宅管理業者が事務所ごとに必ず1名以上設置しなければならない有資格者のことを指します。
「業務管理者」とは、賃貸住宅管理業法に基づき、管理戸数200戸以上の登録賃貸住宅管理業者が事務所ごとに
必ず1名以上設置しなければならない有資格者のことを指します。
業務管理者は、会社の賃貸管理業務全体を統括し、法令遵守・適正な運営を確保する責任を担います。
主な役割は以下の通りです。
- 管理受託契約の内容や重要事項の確認・指導
- 管理業務全般の監督・社員教育
- 法令違反やトラブルの未然防止
- オーナーや入居者への説明責任の遂行
つまり、業務管理者は賃貸管理会社における“コンプライアンス責任者”かつ“管理品質の保証人”のような存在です。
この業務管理者になるための条件を満たす国家資格が「賃貸不動産経営管理士」です。
そのため、管理業務を行う不動産会社に勤める方や、将来的に独立して賃貸経営を行いたい方にとって、賃管士資格は極めて重要な位置づけとなっています。
主な仕事内容
賃貸不動産経営管理士の業務は、大きく 「業務管理者としての監督業務」 と 「現場の管理実務」 の2つに分かれます。
① 業務管理者として行う「管理・監督」
業務管理者は、賃貸住宅管理業務の 「コンプライアンス責任者」 です。 重要事項説明・契約書交付・金銭管理・帳簿備付け・オーナーへの定期報告・苦情処理などが、法令に沿って適正に行われているかを管理・監督します。
※根拠:賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律 施行規則第13条
② 賃貸管理業者として自ら行う「現場の実務」
| 業務 | 主な内容 |
|---|---|
| 市場調査・家賃提案 | 相場調査と適正家賃の提案 |
| 入居者募集・審査 | 募集活動・信用調査・契約締結サポート |
| 物件管理 | 建物の維持・修繕、家賃徴収、契約更新 |
| トラブル対応 | クレーム対応、退去立ち会い、敷金精算、原状回復工事の指揮 |
※サブリース事業者の場合は、特定賃貸借契約に関する重要事項説明等の業務も担います。
これらを通じてオーナーには資産価値の維持・向上を、入居者には安心・快適な住環境を提供するのが、賃貸不動産経営管理士の役割です。
資格取得のメリット
- 不動産業界での活躍: 専門知識が評価され、不動産業務の幅が広がる
- 信頼性向上: オーナーや入居者との信頼関係構築に役立つ
- キャリアアップ: 不動産関連部門への転職やキャリア形成に有利
- 日常生活への応用: 自身の賃貸契約や不動産投資にも活用可能
試験と登録
資格取得には、毎年11月に実施される試験に合格し、その後登録手続きを行う必要があります。
登録には実務経験が求められますが、講習で代替することも可能です。
需要と将来性
賃貸住宅市場では空き家問題や多様化するニーズへの対応が求められており、管理業務の適正化が重要視されています。
そのため、賃貸不動産経営管理士は今後ますます需要が高まると考えられています。
この資格を取得すると、不動産業界で働く方だけでなく、不動産投資家や一般社会人にも役立つ幅広い知識とスキルを習得できます。
賃貸不動産経営管理士試験の概要
賃管士試験は毎年11月に実施され、全国で多くの受験者が挑戦します。
- 試験日程:毎年11月第3日曜日 13時~15時の2時間
- 受験料:12,000円(非課税)
- 申込期間:例年8月上旬〜9月下旬(WEB申込・郵送で異なる)
- 合格発表:毎年12月下旬
- 試験会場:全国41地域(北海道〜沖縄まで47都道府県のうち41地域)から選択。居住地以外も選択可能。会場の指定はできない。
- 試験方法:4肢択一式50問※、筆記試験(マークシート方式)
※免除講習(事前学習+1日講習)修了者は45問
5問免除講習の詳細・申込方法はこちら👇️

賃管試験の出題範囲(6つの主要出題分野)
1. 管理受託契約に関する事項
- 管理受託契約締結前の書面交付
- 管理受託契約締結時の書面交付
- 受任者の権利・義務
- 賃貸住宅標準管理委託契約書
2. 賃貸住宅の維持保全に関する事項
- 建築物の構造と概要
- 建築設備の基礎知識
- 維持保全の管理実務
- 原状回復に関する知識
3. 金銭管理に関する事項
- 家賃の取り扱い
- 敷金の管理方法
- 共益費の意義と管理
- 分別管理の実務
4. 賃貸借契約に関する事項
- 賃貸借契約の成立要件
- 契約期間と更新手続き
- 契約終了時の対応
- 保証に関する実務
5. 法律に関する事項
- 賃貸住宅管理業務等の適正化に関する法律
- サブリース事業の業務ガイドライン
- 特定賃貸借標準契約書
6. その他の実務に関する事項
- 賃貸不動産管理の意義
- 入居者募集の実務
- 関連法令の知識
- 賃貸業への支援業務
受験資格と申し込み方法
賃管試験は性別・年齢・学歴等の特別な受験資格はなく、誰でも受験可能です。
申込み方法はインターネットまたは郵送で行われますが、インターネット申込みが主流となっています。
公式サイト:https://www.chintaikanrishi.jp/
顔写真データや必要書類を準備し、期間内に忘れずに申し込みましょう。
賃管試験対策のポイント
賃貸不動産経営管理士試験では、実務的な知識が重視されます。
単なる暗記ではなく、実際の管理実務における具体的な場面を想像しながら学習を進めることが重要です。
特に以下の分野は重点的な学習が必要です。
・賃貸借契約実務
・賃貸住宅管理業者登録制度
・管理業務の受託方式
・建物・設備の維持管理

近年の賃管士試験の受験者数と合格率・合格基準点
令和7(2025)年度の試験結果では以下のような実績となっています。
| 区分 | 令和6年度(記事採用) | 令和7年度(最新公式) |
|---|---|---|
| 申込者数 | 33,949名 | 36,360名 |
| 受験者数 | 30,194名 | 31,792名 |
| 合格者数 | 7,282名 | 9,370名 |
| 合格率 | 24.1% | 29.5% |
| 講習修了者合格率 | 29.7% | 36.6% |
| 合格点 | 35点 | 38点 |
他の不動産関連資格と比較すると、以下のような合格率となっています。
| 資格名 | 合格率 | 試験日 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 宅地建物取引士(宅建) | 18.6% | 2024年10月20日 | 大人気の不動産資格 |
| 賃貸不動産経営管理士 | 24.1% | 2024年11月17日 | 合格率が年々低下傾向 |
| マンション管理士 | 12.7% | 2024年11月24日 | 合格点50問中37点 |
| 管理業務主任者 | 21.3% | 2024年12月1日 | 合格点50問中38点 |
| 不動産鑑定士 | 短答式36.2% 論文式17.4% 最終6.3% | 短答式:2024年5月19日 論文式:2024年8月3-5日 | 難易度が非常に高い |

必要学習時間
賃管試験の合格に必要な学習時間は、一般的に100~250時間が目安とされています。
ただし、学習経験や予備知識の有無によって必要な時間は異なります。
フランクスフランクスは宅建試験後の1ヶ月70時間の学習で合格することができました!


受験者タイプ別の必要勉強時間
| 受験者タイプ | 必要勉強時間 | 期間目安(1日2時間の場合) |
|---|---|---|
| 初学者(独学) | 250~300時間 | 4~5ヶ月 |
| 初学者(予備校利用) | 200~250時間 | 3~4ヶ月 |
| 宅建等資格保有者 | 100~150時間 | 2~3ヶ月 |
| 不動産実務経験者 | 100時間程度 | 2ヶ月程度 |
1日の勉強時間別の学習期間
| 1日の勉強時間 | 200時間達成までの期間 |
|---|---|
| 30分 | 約12ヶ月 |
| 1時間 | 約6ヶ月 |
| 2時間 | 約3ヶ月 |
| 3時間 | 約2ヶ月 |
賃管試験合格には、100~250時間程度の学習が必要ですが、効率的な計画と集中力次第で短期間での合格も可能です。
Studyplusなどの管理アプリを活用し、自身の生活スタイルに合わせたスケジュールを立て、コツコツと学習を続けることが成功への鍵となります。


試験実施団体
試験実施機関
一般社団法人賃貸不動産経営管理士協議会
https://www.chintaikanrishi.jp
所在地・連絡先
- 住所:〒101-0041 東京都千代田区神田須田町2-7-1 BIZCORE神田須田町5階
- 電話:0476-33-6660(試験センター専用電話)
まとめ
賃貸不動産経営管理士の資格は、不動産業界や不動産に関係する部署で活躍するため、業務管理者となるために有効な国家資格です。
一般的に合格までに必要な勉強時間は100〜250時間と言われていますが、専門知識が無い方でも、効率的に勉強すればどなたでも合格できる試験です。
宅建試験後の知識がある状態なら、共通知識が多いため短時間で合格できます。(フランクスは70時間でした)
早めに計画的な学習を始め、効率よく合格を目指しましょう。
本ブログでは今後も賃管試験対策に役立つ情報を発信していきますので、お見逃しなく!




